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2007.05.14 (Mon)

。 

俺「興を削がぬために会議無し!」
純「めんどいだけだろっ!」

第4話「追憶」

【More・・・】




・・・。

姫「きゃははっ」
翔「もー、姫ってばー」

俺は、映写機に映しだされているかのような風景を眺めていた。

姫「わたし、ぜーったいせーくんと一緒に居るんだー」
翔「うんっ!僕もそうしたいな!」
姫「あははっ 約束だよー?」

俺はここがどこかは判った。
丘の上の公園だ。
いつの出来事だろう。
少なくとも、俺の記憶には無い頃。
いや・・・無くなってしまった記憶なのかもしれない。

翔「姫も、約束やぶらないでね!」
姫「わたしはやぶらないよ~だ」
翔「なんでわかるの??」
姫「女のカンって奴っっすかねー」
翔「あはははは」

楽しそうだ。
ブランコに揺られている男の子と女の子は、輝くような顔で
見詰め合って笑っている。
・・・そう、確かにあれは姫だ。
じゃぁ・・・あれは・・・。

わかっていた。
あれは俺だ。
10年よりも前の俺だ。
それは俺の知らない俺

姫「ずーっと・・・お隣同士じゃ嫌だよ?」
翔「え・・・・?」
姫「だって、わたしせーくんの家にお嫁さんに行くもん!」
翔「・・・うんっ!」

小さな俺は、俺が今までしたことないような心から幸せそうな笑顔で・・・。
小さな姫も、俺には見せないような笑顔で・・・。
それが、悔しかった。

あれは過去の俺なんだ。
そう、確信した。
それと同時に、深い嫉妬心が俺を襲った。

何をやっているんだ。
過去は既に失った物なんだ。
俺には関係ない。

小さな俺の目はとても優しそうな目をしている。
ちょっと傷をつけただけで壊れてしまいそうな・・・。
それでも、とても真っ直ぐで、姫の目しか見ていなかった。

じゃぁ俺はどうだろう。
俺は姫の目を見つめている時も、本当は別の場所を見ていたのかもしれない。

それは・・・姫の心を見ようとしていたのか・・・。
姫の真っ直ぐな瞳が恥ずかしくて、切なくて。
自然と目を背けていたのかもしれない。

二人はブランコから降りた。
どうやら、空もオレンジ色になり始めてお帰りの時間らしい。

翔「おとーさん!」
父「おう、帰るのか?」
若き日の親父は、俺のすぐ隣に居た。

・・・しかし、それは俺の知っている親父では無かった。
いつも何かを睨んでいるような顔ではなく・・。
ただ、優しい父親の顔でしかなかった。

翔「今日はね!姫と約束したんだ!」
父「お?どんな約束だ?」
姫「わたしは・・おっきくなったらせーくんの家に住みますっ!」
父「はっはっは♪それは良い約束だね。翔も破るんじゃないぞ?」
翔「うん!」
誰だ・・・。

こいつは誰だ・・・。

何故そんな顔をするんだ。

俺は一度も見た事がない。

「・・あまり、甘やかさないのよ?くーちゃん」
父「む・・・舞、いいじゃないか・・」

舞。 お袋の名前だ。

俺はお袋の姿を探そうとするが、首が回らない。
そして、俺の口から言葉が出ている事に気づいた。

舞「いい?翔、あまり女の子に期待させちゃだめよ?」
翔「えー、なんでー」
舞「そういう約束はね、ずっと心に残る物なの。
男の子って馬鹿だから、きっと翔は10年もすれば忘れちゃう」
翔「そんなことない!」

俺のお袋は冷たかった。

舞「ううん、そんな保証、どこにも無いじゃない。
だって、いつ誰が居なくなるか判らないんだから・・・。」
翔「僕も姫も居なくなんかならない!おかあさんの馬鹿!
いこ・・姫」
姫「え・・・ぅ、うん」

小さな俺は小さな姫の手を引いて、丘を降りていった。
父「舞・・・」
舞「私ね、翔を男の子にしてあげたいの」
父「しかしだよ・・・」
舞「じゃぁくーちゃんは・・・純と真理奈の事を忘れたの?」
父「あれは仕方のなかったことじゃ・・」
舞「そう、仕方の無い事ってあるよね・・・。
それを翔には知ってもらいたいの。」
父「・・・舞・・・」
舞「ううん、くーちゃんは悪くないよ。
私だって、姫ちゃんみたいな女の子だったもん。
でも・・・私なら今の翔には惚れないなー」
父「そうだな・・・だから・・」
舞「うん、やっと思い出してくれた? 何が一番大事なのかを」
父「・・・あぁ」
舞「優しさだけでは人は救えない。
綺麗な言葉では何一つ守れない。
唯一揺るぎ無い物・・・それは真実。
目の前にある現実を受け入れて、その壁をも越えてゆける。
どんな障壁があろうとも・・・臨機応変に対応するの。
確かに・・人は 犠牲無くして幸せは掴めないと言うわ。
けど、犠牲の無い幸せだって必ずあるの。
そういう・・・本当の真実を見つけれる子になって欲しいな・・」

・・・俺の頭に常に根ざしていた原理だ。
本当の真実を確かめる。

それが・・・何よりも正解だって事を。

・・・。
雪が降り出した。

翔「・・・。」
俺の意識は、大通りへと移っていた。

姫「せーくん・・・?」
翔「おかあさん、おこっていないかな・・」
姫「・・・。だいじょーぶだよー」
翔「うん・・・ひどいこといっちゃったし・・」
姫「そんなことない・・・ほら、雪だよせーくん」
翔「あ・・・ほんとだ・・綺麗だねー」
姫「雪って、天使の羽なんだってー おねーちゃんが言ってたよー」
胡桃さん・・・。

翔「天使の・・・羽?」
姫「うん、天使の羽!」
翔「そっか・・・綺麗だね」
姫「うん、綺麗だけど・・・悲しいね」
翔「なんで?」
姫「こんなにいっぱい天使の羽が落ちてきてるんだよ?
じゃぁ、この羽の天使達はどうしたんだろーね」
翔「・・どうしたって・・?」
姫「だって、天使は羽が無ければ飛べないでしょ?
じゃぁ、天使はおちてくるのかなーって」
翔「おちてきたら、大変だね」
姫「うん!ちゃんと助けてあげないとね」

その時、一つの光の球が空からゆっくりと降りてきた。

翔「あ、あれ!」
姫「えっ?」
翔「きっと天使だよ!」
姫「え、ちょっちょっとせーくん!危ないよ!」
小さな俺は、その光を捕まえようと路上へ飛び出した。

キキィーッ!!

ズガン!!

姫「せー・・く・・ん・・」
スリップした車が止まらず、小さな俺に激突していた。

・・・。

舞「・・・こう、なる事だってあるのよね。」
道路のど真ん中、ぴくりとも動かない小さな俺。

姫「いかないで!一緒に居るって約束した!せーくん!」
小さな姫は、ずっと小さな俺を揺すっていた。

父「・・・・くっそ・・!」
舞「・・・犠牲の無い幸せなんて無い・・・。
でも、これじゃぁ犠牲しか残らないわね・・・」
絶望に暮れる親父。
泣きじゃくる姫。
静かに空を見上げるお袋。

俺は一滴の血も流さず、ただ路上に倒れている。
舞「身体はまだ死んでないわね・・・。」
父「舞・・・お前まさかっ!」
舞「・・・この偶然は、真理奈からの贈り物かもしれないわね。
うん・・・くーちゃん、どうする?」
父「どうするってお前・・・嫌に決まってるだろ。」
舞「そ、じゃぁ私達ここまでね。 
私は、翔に生きていて欲しい。
私の幸せのために翔の命と姫ちゃんの心を犠牲にするなら
私は私の幸せを犠牲にして二人の幸せを手に入れたい。」
父「・・・」
舞「だって、そのほうが良いじゃない?
とくに理由なんかないけど」
お袋は、空から降りてきた光をそっと手の中に包み込む。

舞「答えは出た?」
父「舞・・・、俺から離れるんじゃねぇぞ」
舞「えぇ、ずーっと見てるわよ。
真理奈と同じね・・私も。
久しぶりに真理奈と二人きりで彼氏の悪い噂でもしちゃおうかしら」
父「ちっ、まったくてめぇらは・・・」
舞「じゃ、くーちゃん。翔の事頼むわよ?
姫ちゃんと、私を悲しませない漢に育ててあげてね」
父「あぁ、俺のクイックシルバーは」
両親『突然変異だぜ!』

何の決め台詞じゃい、 と突っ込みたかったが・・・。
そういう空気じゃなかったな。

気づいたら、母親の姿は消えていて。
俺の意識も、小さな俺の身体へと吸い込まれていった。

・・・そして・・・俺は目を覚ました。

暗い・・・冷たい鋼のベッドの上で。




おっし、やっとひっぱってこれた!
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【編集】 |  22:29 |   | TB(0)  | CM(1) | Top↑
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 |  2007年05月15日(火) 00:25 |  【コメント編集】

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